2012年11月10日

見切り発走!24時間選歌マラソン!006「時代」- 010「カード」

006「時代」

生きにくい時代と嘆くテンプレを来世の分も用意しておく (太田槙子) 

教科書とちがって私の来し方は時代ごとには色分けできず (芹澤すばる) 

時代越え呼びあふ声や鶯の谷越ゆる影追へばいとほし (槐) 

振り向けば数多の栞が挟まれてそれを時代と人は呼びます (わたつみいさな)

わるい夢みたいっていうこの時代しか知らなくて憐れまれてる (月原真幸)


007「驚」

驚きの感覚次第に薄れるも喜寿近づきし齢(よわい)のゆえか (西中眞二郎) 

プルトップ千切ってみれば驚いた表情をする缶ビールの顔 (ひじり純子) 

驚きはこと過ぎし後襲ひ来ぬ 家をゆがめて地のゆれし午後 (佐藤紀子) 

驚きの白さを謳う洗剤であたしの過去は洗えないよね (守宮やもり) 

牛乳が驚くほどに食卓をとても冷たく跳ねた左手 (伊上淳之介) 


008「深」

深海魚図鑑の中の鮟鱇のオスの部分で終わるつもりだ (佐竹弓彦) 

※大変残念ですが、お歌の形式上、こちらにお歌を載せることができません。 (五十嵐きよみ)

伝わらぬ言葉の多さ木蓮の若木に深く水遣りをする (さとうはな)

紫の三色菫(パンジー)みつしり寄せ植えり悔ひ深きこと忘れ難きに (RIN) 

生ゴミを収集所まで運び出し朝のひんやり深く吸い込む (海) 


009「程」

音程を外さぬことには定評があるとはもしや褒められたのか (高島津諦)

二日程留守にしますと書き置いて上野駅にて行く先決める (梅田啓子)

あどけない少女が蝶に変わりゆくための過程でほどくみつあみ (本間紫織)

程々に好きになったり嫌ったりできるくらいなら結婚してた (まつたけ)

程度問題ってよく言っていたうちの父もうひとつなにかよく言っていた (本田瑞穂)


010「カード」

古典派やアダム・スミスがリカードが目をマルクスの労働価値説 (浅草大将)

手のうちのカードの心もとなさに十首めにして向き合うことに (平和也) 

今回のデータはイエローカードですと医師はつぶやきカルテを閉じぬ (西中眞二郎)

添えられたカードの文字に癖がある カタログ通りの薔薇の花束 (ひじり純子)

紛爭など無關係さと言ひたげに古いタンカードックに眠る (酒井景二朗)



※お名前等、間違えがございましたら、申し訳ありません。
 
 
posted by 磯野カヅオ at 18:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 選歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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