2012年11月10日

見切り発走!24時間選歌マラソン!016「力」- 020「劇」

016「力」

蟻の巣を消し去るほどのやみくもな力をかつて持っていたこと (飯田彩乃)  

乳を吸う力強さとふにゃぐにゃのからだのアンパランスが赤子 (ミカノ) 

「環境の美化に協力してね」って書かれたチラシが散らばっている (なまにく) 

一行に漢字を十個書いていく鉛筆握る手に力込め (海) 

おにぎりに指の跡残るくらいの力加減で抱いてください (嶋田さくらこ) 


017「従」

従わぬことで飼い主喜ばす猫の増長なお限りなし (平和也) 

駅前で従兄弟だという人と会う約束をした顔で分かった (熊野ぱく) 

二等辺三角形の辺長く水脈従へて鴨滑りゆく (コバライチ*キコ) 

子は我でないのに我の延長のごとく従えようとしており (ミカノ) 

去年まで一緒に川ではしゃいでた従姉手を振る無防備な腋 (出雲もこみ)  

 

018「希」

まるで身に覚えがないが国民は平和を希求するのだといふ (芳立) 

最後まで小箱に残るべきでした「希ナ望ミ」という咎人は (中村成志) 

かなうのは第三希望 なまぬるい炭酸水で喉をうるおす (五十嵐きよみ) 

びんの中ゆ見上ぐる空は青く遠くこれを希望と人はいふらめ (ひろ子) 

希土類の某国依存体質は克服すべき重大事なり (鳥羽省三)  



019「そっくり」

真夜中にのむ酒よろしするめいかコンロの上にそっくりかえる (夏実麦太朗) 

みぎの子とひだりの子とはそっくりで そっくりだけど、みぎ・やや優勢 (魚住 蓮奈) 

そっくりに描かれてるかはわからない法廷の画の中のあいつは (猫丘ひこ乃) 

手伝えば「自分でやりたかったの!」とそっくり返る二歳児の自我 (ミカノ) 

ほんとうにパパそっくりと言われても会えない人のことは知らない (紗都子) 


020「劇」

虚ろなる国会質疑のやりとりを劇中劇の如く見ており (西中眞二郎) 

劇場のロビーの椅子に残されたバラ一輪とよく似た孤独 (五十嵐きよみ) 

生き方を墨で一文字表せば留めも撥ねをも劇と一気に (ゆこ) 

風呂敷をまとえば始まる寸劇はプリキュアVS仮面ライダー (ミカノ) 

劇薬を飲まされたように暴れてる 脱水の時、うちの洗濯機 (フユ) 



※お名前等、間違えがございましたら、申し訳ありません。
  
   
posted by 磯野カヅオ at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 選歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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