2012年11月11日

見切り発走!24時間選歌マラソン!031「大人」- 035「むしろ」

031「大人」

大人には見えない星を指差して今日もあの娘は「なー!?」って笑う (山本左足) 

守るため戦う人は気高くて 大人しいのは美徳ではない (青野ことり) 

大人への階段を子が踏み外すたびに謝るあの日の母に (今泉洋子) 

大人気ものの君にはわかるまい含み笑いをする道化者 (星桔梗) 

大人としてここにいること鉄棒の低さにふれる校庭の隅 (黒崎聡美) 


032「詰」

問い詰めてもらいたかったこともある 君のやさしい残酷が好き (ほたる) 

瓶詰のジャムを五六個抱えつつ瓶の重さを受け入れている (秋月あまね) 

原色はバッグに詰めて自己主張しない淡色のわたしでいる (遥) 

七人掛けに五人の座る昼下がり少し詰めてと言えず立ちおり (原田 町) 

お見合いのテキサスポテンヒットからうまくつないで十一手詰め (珠弾) 

 
033「滝」

水煙に滝見台ごと包まれて誰もが縦でシャッターを切る (湯山昌樹) 

ナイアガラのホテルの浅き眠りには滝の轟く音が入りくる (佐藤紀子) 

<感情をコントロールする>七夕の短冊は泣く滝状の雨 (ワンコ山田) 

可愛らしいおでこの汗が滝のよう君は上でも僕の下でも (かげいぬ) 

泣きながら深夜に髪を洗うときわたしは凍る凍る滝です (さとうはな) 

 

034「聞」

突風に翻弄される新聞紙ガードレールにまだしがみつく (ほたる) 

朝の陽を昨日の新聞紙に包み花の静かな葬儀を終える (たつかわ梨凰) 

見聞きせず考えないで忘れればほぼこのような空き缶となる (佐竹弓彦) 

君の声にだけ聞き耳立てている昼の学食喧騒の中 (真桜) 

聞こえないふりをしていた窓ガラスつたう雨粒ばかり見ていた (五十嵐きよみ) 

 

035「むしろ」

寸分も手抜かりのない出来栄えにむしろ喪失感が止まない (秋月あまね) 

雪の降る中待ち続け寒いのはむしろ来られぬあなたの方だ (流川透明) 

徹夜する午前四時には性欲がむしろ睡眠欲をこえたり (松木秀) 

怪我よりも揃いのカップ片方を 無くしたことがむしろ悲しく (椋) 

文月にあせばむしろいシャツを脱ぎ水に飛び込む少年の影 (砂乃) 



※お名前等、間違えがございましたら、申し訳ありません。
    
     
posted by 磯野カヅオ at 03:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 選歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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