2012年11月11日

選歌は続くよどこまでも!051「囲」- 055「きっと」

051「囲」

蜘蛛の囲に捲かれて黙す黒蝶の魂なるか夕星(ゆふづつ)の燃ゆ (みずき) 

囲碁部からむりやり連れて来たデブに我が相撲部のすべてを託す (山本左足) 

干からびた野菜に囲まれ佇める麦わらのひと風に従順 (由弥子) 

徒夢を範囲指定で削除する右クリックが微妙に不調 (南葦太) 

   
052「世話」

里方に向日葵(ひまわり)咲くも世話好きの言葉うるさく逃げて帰りぬ (横雲) 

世話になどならんと言って撥ね付けた青の強さに我は平伏す (蓮野 唯) 

世話好きの婆の差し出す見合いの写真 あれで何とか今の所帯が (不孤不思議) 

名のわりに世話が焼けると自動車を両手両足使い動かす (はぼき)

 
053「渋」

お見合ひを疎み渋るをいぶかれる母の瞳に百日紅(さるすべり)揺る (横雲) 

サルトルとボーボワールのカンケイをオンナメセンは渋いとオモウ (ゆこ) 

渋谷発横浜行きの特急に乗ればふられるまで二十五分 (匿名希望) 

去るならば少し気持ちが残る日に渋味の残る紅茶飲み干す (津野) 


 
054「敷」

果樹園を通り抜けてく東武線窓は四角く風をきりとる (夏実麦太朗) 

花嫁と武者との修行どの程度違うものかを比べてみたい (熊野ぱく) 

武蔵野の台地を横切りオレンジと黄色の電車が競いつつ行く (五十嵐きよみ) 

武装解除するあてもなく姑と吾は平和なエリアを保つ (小夜こなた) 


055「きっと」

容赦ない笑顔の人がやってくる きっとわたしの味方ではない (じゃこ) 

水、酸素、太陽と愛。それだけできっと私は明日を生きる (村木美月) 

けふよりもきつとあしたは良くなりますと医師の言葉は小春日のやう (今泉洋子) 

髪きりり結いしおとめごわれを見ずきっと見据えるその先の的 (冥亭) 


※お名前等、間違えがございましたら、申し訳ありません。
 
 
posted by 磯野カヅオ at 16:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 選歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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