2012年11月11日

選歌は続くよどこまでも!076「桃」- 080「たわむれ」

076「桃」

照れながら頬桃色に染める君一瞬で僕恋におちてく (薫智) 

トンネルを抜ければ桃の花盛り甲府盆地の午後は晴れたり (西中眞二郎) 

扁桃の花にまろびぬ早春は少女の胸のふくらみのごと (ケンイチ) 

花よりもふっくら熟れた実の赤さこそ桃色と名づけたくなる (五十嵐きよみ) 

 
   
077「転」

「逆転の報徳」「復路の順天堂」ひっくり返すための卓袱台 (珠弾) 

異文化をかすか見せて壇上の転校生はあかるく笑う (紗都子) 

セレブとは電動機付き自転車で庶民のチャリを越えてゆくこと (じゃこ) 

転んでもすぐには起きず金色(こんじき)の落ち葉のこゑにしばし聴き入る (今泉洋子) 

 
078「査」

封筒が持ち物検査に引っ掛かる先生それはあなた宛です (流川透明) 

神父さん「査定に響く」が口グセで今日も笑顔で告悔室に (中村成志) 

検査機の針がふれてる愛されているのですねと先生が言う (フユ) 

日食の連続写真に紛れ込む視力検査のマークのひとつ (五十嵐きよみ) 


  
079「帯」

お祭りに行こうと突如誘われてオフィスでググる帯の締め方 (柳めぐみ) 

なぜ母は携帯電話のキータッチ音を消さずにメールを打つの (なまにく) 

帯に惚れ衝動買いをしたものの似合う着物が見つからなくて (るいぼす) 

燃え上がる山のふもとに鹿降りて吾は妻帯と何度でも言ふ (津野) 


080「たわむれ」

たわむれに背負うと危険腰を二度やってしまった僕は知ってる (夏実麦太朗) 

たわむれに交わし始めた掛け合いはジェンガのパーツ引きぬくようで (真桜) 

たはむれし夜の吐息のせつなしや振り向く君の飾らぬえまひに (槐) 

たはむれの母の言葉を真に受けてをさなの大き目が潤みたり (佐藤紀子) 



※お名前等、間違えがございましたら、申し訳ありません。
 
  
posted by 磯野カヅオ at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 選歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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