2012年12月01日

選歌は続くよどこまでも!091「締」- 095「樹」

091「締」

愛されることの幸せかみ締めてコンパクトの蓋ぱちんと閉める (nobu)

いつからか比喩ではなくて文字通り胸が締めつけられる気がする (はぼき)

靴ひもを締め直したらもう一度つまずく前から始めればいい (五十嵐きよみ)

水道の蛇口をきゅっと締めながら転校すると告げたね、君は (白亜)


092「童」

童顔で幼く見える僕だけど頼ってほしい頑張るからさ (薫智)

掌に消毒の泡を擦り込んでマスクを着けてゆく児童館 (秋月あまね)

向日葵と背比べする童女らの眩しさは陽のためのみならず (真桜)

早送りできぬものとしレンタルの映画予告と大童のわれ (梅田啓子)


093「条件」

無条件にイエスを言い続けることの誇らしくまた甘いゆうぐれ (佐竹弓彦)

条件を減らしましょうとコンサルの人に言われて10個に減らす (南野耕平)

ひとことが余計で交換条件のように聞こえてしまう約束 (五十嵐きよみ)

人になるための条件教えてやるし雨と一緒に降って来い、空 (ちょろ玉)


094「担」

担当ですと挨拶に来し看護婦の声の明るき夕べの病室 (西中眞二郎)

これからの日本の国の担い手は汚染とともに生きる覚悟で (遥)

担うべきわが花はただ歌うことかいつか骸となるまでの日を (佐竹弓彦)

担当者不在のために一切の愛に応えることが出来ない (あみー)


095「樹」

記念樹と言い張るのならそれも良しふたり見上げましょうか鉄塔 (中村成志)

街路樹に巻きつけられた電飾がただ刺々と浮かぶまひるま (黒崎立体)

街路樹に番号札がつけられてそれらも街の備品だと知る (はぼき)

やわらかい樹木にもたれぼくたちは双子を授かるような気がする (ちょろ玉)


※お名前等、間違えがございましたら、申し訳ありません。
 
  
posted by 磯野カヅオ at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 選歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/304720576

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。