2008年05月18日
080:Lサイズ(磯野カヅオ)
おほけなくLサイズまで蹙みたるあらましごとを広ぐ夏野よ
079:児(磯野カヅオ)
声高に「パパ」と吾を呼ぶ夏衣思ひ紛へし稚児のほほゑむ
076:ジャンプ(磯野カヅオ)
ことごとくより逃れむとジャンプする夏めく影も置き忘れたし
2008年05月11日
075:量(磯野カヅオ)
牡丹の詠まれたる和歌送られど本意量りかね如何はせむや
073:寄(磯野カヅオ)
浮蓴採りてもみむと逸る舟寄れども応ふ気色無かりき
071:メール(磯野カヅオ)
百年も千里も隔つ月並のメールに添ふる杜鵑花ゆかしく
2008年05月04日
069:呼吸(磯野カヅオ)
若葉風立ち騒ぐ野の耳近につゆ躊躇はぬ呼吸教はり
066:ひとりごと(磯野カヅオ)
ながながし馴れ初め辿るはつなつの三叉路に問ふひとりごとかな
065:眩(磯野カヅオ)
あてどなく彷徨ふ初夏の人群れの撫でし眩暈に身を委ねたり
064:可憐(磯野カヅオ)
鹿垣に珠衣の端の綻びぬ可憐手折りて連れ行かまほし
063:スリッパ(磯野カヅオ)
夏近し弛む心と四瓩のスリッパで乗る秤まことし